Translations:Discovery and development of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors/44/ja

1999年、Merck はDPP-4阻害薬の薬物開発プログラムを開始した。彼らが社内でスクリーニングと医薬品化学プログラムを開始したとき、すでに2つのDPP-4阻害薬臨床試験に入っていた。イソロイシルチアゾリジド(P32/38)とNovartisのNVP-DPP728である。L-threo-isoleucylthiazolidideとそのallo立体異性体Merck & Co.の動物実験において、両異性体はDPP-4に対して同様の親和性、同様の生体内有効性、同様の薬物動態および代謝プロファイルを有することが判明した。それにもかかわらず、allo異性体は10倍も毒性が強かった。研究者らは、この毒性の違いは、allo異性体の方がDPP-8DPP-9をより強く阻害するためであり、DPP-4を選択的に阻害するためではないことを突き止めた。また、DPP-4阻害が免疫機能の低下を引き起こさないことを裏付ける研究も増えている。DPP-8/DPP-9に対する親和性と毒性との間にこの関連性が発見されると、 Merckは、この目的のために、彼らはポジショナル・スキャニング・ライブラリーを使用した。これらのライブラリーをスキャンした結果、DPP-4とDPP-8はともにP1位にプロリンを持つペプチドを分解することに強い嗜好性を示したが、P2位では大きな違いがあることがわかった。つまり、P2位の酸性官能性がDPP-8よりもDPP-4により大きな親和性を与えることがわかったのである。Merck はさらに研究とスクリーニングを続けた。イソロイシルチアゾリジンに関連するα-アミノ酸シリーズの化合物は選択性に欠けるため研究を中止したが、代わりに非常に選択性の高いβ-アミノ酸シリーズを発見した。ピペラジンシリーズをSAR研究によって発見した。ピペラジン部位を安定化させようとすると、二環式誘導体群が作られ、効力および選択的なトリアゾロピペラジンシリーズの同定につながった。これらの類縁体のほとんどは前臨床において優れた薬物動態学的特性を示した。これらの化合物の最適化が最終的にシタグリプチンの発見につながった。