Discovery and development of gliflozins/ja: Difference between revisions
Discovery and development of gliflozins/ja
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報告されているSGLT-2阻害剤のほとんどは[[glucosides/ja|グルコシド]]類縁体であり、自然界に存在するo-アリールグルコシドまで追跡することができる。SGLT-2阻害剤として[[o-glucosides/ja|o-グルコシド]]を使用する際の問題は、小腸内の[[Beta-glucosidase/ja|β-グルコシダーゼ]]による分解まで追跡できる不安定性である。そのため、経口投与されるo-グルコシドは[[prodrug/ja|プロドラッグ]]エステルでなければならない。これらのプロドラッグは体内で変化を起こし、グルコースと[[aglycone/ja|アグリコン]]部分の間に[[carbon-carbon bond/ja|炭素-炭素結合]]が生じるため、o-グルコシドから[[c-glucoside/ja|c-グルコシド]]が形成される。C-グルコシドはo-グルコシドとは異なる薬物動態プロファイル(例えば[[half-life/ja|半減期]]や作用時間)を持ち、β-グルコシダーゼでは分解されない。最初に発見されたc-グルコシドは薬物[[dapagliflozin/ja|ダパグリフロジン]]であった。ダパグリフロジンは、[[:en:European Medicines Agency|欧州医薬品庁]]によって承認された最初の高選択的SGLT-2阻害薬である。臨床開発中のSGLT-2阻害薬はすべて[[prodrugs/ja|プロドラッグ]]であり、活性を発揮するためには活性型'A'に変換する必要がある。 | 報告されているSGLT-2阻害剤のほとんどは[[glucosides/ja|グルコシド]]類縁体であり、自然界に存在するo-アリールグルコシドまで追跡することができる。SGLT-2阻害剤として[[o-glucosides/ja|o-グルコシド]]を使用する際の問題は、小腸内の[[Beta-glucosidase/ja|β-グルコシダーゼ]]による分解まで追跡できる不安定性である。そのため、経口投与されるo-グルコシドは[[prodrug/ja|プロドラッグ]]エステルでなければならない。これらのプロドラッグは体内で変化を起こし、グルコースと[[aglycone/ja|アグリコン]]部分の間に[[carbon-carbon bond/ja|炭素-炭素結合]]が生じるため、o-グルコシドから[[c-glucoside/ja|c-グルコシド]]が形成される。C-グルコシドはo-グルコシドとは異なる薬物動態プロファイル(例えば[[half-life/ja|半減期]]や作用時間)を持ち、β-グルコシダーゼでは分解されない。最初に発見されたc-グルコシドは薬物[[dapagliflozin/ja|ダパグリフロジン]]であった。ダパグリフロジンは、[[:en:European Medicines Agency|欧州医薬品庁]]によって承認された最初の高選択的SGLT-2阻害薬である。臨床開発中のSGLT-2阻害薬はすべて[[prodrugs/ja|プロドラッグ]]であり、活性を発揮するためには活性型'A'に変換する必要がある。 | ||
=== T-1095 === | === T-1095 === | ||
[[File:T-1095.svg|thumb| | [[File:T-1095.svg|thumb|T-1095の構造]]。 | ||
フロリジンは非選択的阻害剤で経口バイオアベイラビリティが低いため、フロリジン誘導体が合成され、T-1095と呼ばれるようになった。T-1095は[[methyl carbonate/ja|炭酸メチル]]プロドラッグであり、経口投与すると循環吸収され、肝臓で速やかに活性代謝物T-1095Aに変換される。[[SGLT-1/ja|SGLT-1]]および[[SGLT-2/ja|SGLT-2]]を阻害することにより、糖尿病動物の尿中グルコース排泄量を増加させた。T-1095は臨床開発が進まなかったが、これはおそらくSGLT-1を阻害するためであろうが、非選択的SGLT阻害薬は[[Glucose transporter/ja|グルコーストランスポーター1]](GLUT-1)も阻害する可能性がある。濾過されたグルコースの90%はSGLT-2を介して再吸収されるため、研究は特にSGLT-2に焦点を当てている。SGLT-1の阻害は、激しい下痢を特徴とする遺伝性疾患[[glucose-galactose malabsorption/ja|グルコース-ガラクトース吸収不良]]を引き起こす可能性もある。 | |||
=== ISIS 388626=== | |||
=== ISIS 388626 === | SGLT-2阻害の新規な方法の予備的知見によると、[[Sense (molecular biology)/ja|アンチセンス]]である。[[oligonucleotide/ja|オリゴヌクレオチド]]である。ISIS 388626は、1週間に1回投与した場合、近位腎尿細管における[[mRNA/ja|mRNA]]発現を最大80%低下させることにより、げっ歯類およびイヌの血漿グルコースを改善した。SGLT-1には影響しなかった。ISIS 388626の[[Animal testing on non-human primates/ja|非ヒト霊長類]]における長期使用に関する研究結果では、低血糖を伴うことなく[[Glycosuria/ja|糖尿]]の1000倍以上の増加が観察された。この糖尿の増加は、SGLT-2の発現の用量依存的な減少に起因すると考えられ、最高用量では75%以上の減少につながった。2011年、[[Ionis Pharmaceuticals|Ionis Pharmaceuticals社]]は12ヌクレオチドアンチセンス[[oligonucleotide/ja|オリゴヌクレオチド]]であるISIS-SGLT-2RXの[[Phases of clinical research/ja|臨床第1相試験]]を開始した。この研究の結果は2017年に発表され、この治療は「予期せぬ腎作用と関連していた」。著者らは、"ISIS 388626によるSGLT2のアンチセンスを介した遮断という概念をさらに検討する前に、さらなる検討を正当化するために、より多くの前臨床データが必要である"と結論づけた。 | ||
=== 血糖コントロールにおけるSGLT-2阻害薬の活性 === | |||
Michael Nauck氏は、2型糖尿病患者の血糖コントロールにおけるSGLT-2阻害薬の活性に関する研究の[[Meta-analysis/ja|メタ解析]]では、[[placebo/ja|プラセボ]]、[[metformin/ja|メトホルミン]]、[[sulfonylurea/ja|スルホニルウレア]]、[[thiazolidinediones/ja|チアゾリジン薬]]、インスリンなどと比較した場合、グルコースコントロールの改善が認められたと述べている。[[HbA1c/ja|HbA1c]]は、SGLT-2阻害薬を単独で(単剤療法として)投与した後と、他の糖尿病治療薬に上乗せ療法として投与した後に調べられた。使用されたSGLT-2阻害薬は、ダパグリフロジンとカナグリフロジン、および同じ薬物クラスの他の薬物であった。メタアナリシスは、数週間から100週間以上にわたる研究をまとめて行われた。 | |||
Michael | |||
その結果を要約すると、10 mgのダパグリフロジンを24週間投与した場合、プラセボよりも高い血糖コントロール効果を示した。しかし、メトホルミンの上乗せ療法としてダパグリフロジン10 mgを52週間使用した場合、[[glipizide/ja|グリピジド]]と比較して劣る有効性は示されなかった。ダパグリフロジン10 mgを[[monotherapy/ja|単剤療法]]で24週間投与した場合、メトホルミンと比較して劣る有効性は示されなかった。 | |||
カナグリフロジンを検討したメタアナリシスの結果、カナグリフロジンはプラセボと比較してHbA1cに影響を及ぼすことが示された。また、エンパグリフロジンの10 mgと25 mgは、プラセボと比較してHbA1cを改善することがメタアナリシス研究で示された。 | |||
== 構造活性相関(SAR)== | |||
{{Anchor|Structure-activity relationship (SAR)}} | |||
フロリジンおよびダパグリフロジンの[[aglycones/ja|アグリコン]]は、SGLT-1およびSGLT-2に対して弱い阻害作用を有する。阻害剤とSGLTの結合には2つの[[Synergy/ja#Drug synergy|シナジー]]力が関与している。アグリコン上の異なる糖は、アクセス前庭におけるアグリコンの向きに影響を与え、変化させる。なぜなら、結合に関与する力の一つは、グルコース部位への糖の結合だからである。もう一つの力はアグリコンとの結合であり、これは阻害剤全体の結合親和性に影響を与える。 | |||
T-1095の発見を契機に、グリコシド・コアに様々な置換基を付加することにより、効力、選択性、経口バイオアベイラビリティを向上させる方法が研究されるようになった。一例として、グルコースとアグリコン部分の間に炭素-炭素結合を作ることによって、o-グリコシドをc-グリコシドに変化させることができる。C-グルコシドはo-グルコシドよりも安定性が高く、半減期や作用時間が変化する。これらの修飾はまた、SGLT-2に対する特異性の向上にもつながっている。遠位環または近位環に[[heterocyclic/ja|複素環]]を有するC-グルコシドは、抗糖尿病効果と[[Physical chemistry/ja|物理化学的]]特徴に関して、すべてにおいて優れている。カナグリフロジンの遠位環に[[thiazole/ja|チアゾール]]を有するC-グルコシドは、表1および表2に示すように、臨床開発につながる良好な物理化学的特性を示しているが、ダパグリフロジンと同等の抗糖尿病活性を有している。 | |||
ソン(Song)たちはカルボン酸からチアゾール化合物を調製した。チアゾール環を持つダパグリフロジンのような化合物を得るには、3つのステップが必要だった。化合物のSGLT-2に対する阻害作用が、ソンと彼の共同研究者らによって試験された。表1、2、3において、IC<sub>50</sub>値は、どの化合物が環の位置にあるか、近位フェニル環のC-4領域にあるか、チアゾール環がどのように関係しているかによって変化する。 | |||
Song | |||
多くの化合物が''[[in vitro/ja|試験管内]]'活性において、環の位置で異なるIC<sub>50</sub>値を示した。例えば、n-ペンチル基(IC<sub>50</sub> = 13,3 nM)、n-ブチル基(IC<sub>50</sub> = 119 nM)、2-フリル基を持つフェニル基(IC<sub>50</sub> = 0,720)または3-チオフェニル基(IC<sub>50</sub> = 0,772)には大きな違いがあった。表1に見られるように、''試験管内''活性は、(近位フェニル環のC-4領域にCl原子があることから)遠位環に結合する化合物によって増加する。 | |||
'''表1:'''遠位環に結合する化合物による'''試験管内'''活性の違い。 | |||
''' | |||
[[File:Mynd fyrir toflu1.png]] | [[File:Mynd fyrir toflu1.png]] | ||
{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
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! R !! IC<sub>50</sub> (nM) !! | ! R !! IC<sub>50</sub> (nM) !! 活性 | ||
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|align="center"| [[File:Bygging 1.png]] ||align="center"| 0.720 ||align="center"| '' | |align="center"| [[File:Bygging 1.png]] ||align="center"| 0.720 ||align="center"| ''試験管内''活性が向上* | ||
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|align="center"| [[File:Bygging 2.png]] ||align="center"| 1.14 ||align="center"| '' | |align="center"| [[File:Bygging 2.png]] ||align="center"| 1.14 ||align="center"| ''試験管内''活性が向上* | ||
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|align="center"| [[File:Bygging 3.png]] ||align="center"| 13.3 ||align="center"| | |align="center"| [[File:Bygging 3.png]] ||align="center"| 13.3 ||align="center"| 炭素数が増えるにつれて、IC-50値は変動 | ||
|- | |- | ||
|align="center"| [[File:1-Methoxy-n-butane.png]] ||align="center"| 19.6 ||align="center"| '' | |align="center"| [[File:1-Methoxy-n-butane.png]] ||align="center"| 19.6 ||align="center"| ''試験管内''での''活性が低下* | ||
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|align="center"| [[File:Bygging 5.png]] ||align="center"| 21.2 ||align="center"| '' | |align="center"| [[File:Bygging 5.png]] ||align="center"| 21.2 ||align="center"| ''試験管内''での''活性が低下* | ||
|} | |} | ||
''* | ''*エチル基との比較対象 (IC<sub>50</sub> = 16,7)'' | ||
表2において、''試験管内''活性は、近位フェニル環(X)のC-4領域の化合物によって変化する。C-4位に小さなメチル基や他のハロゲン原子があると、IC<sub>50</sub>は0.72-36.7の範囲になった(2-フリルを持つフェニルが環の位置にあることを考慮)。 | |||
'''表2:'''近位フェニル環のC-4領域にどの化合物があるかによる'''試験管内'''活性の違い。 | |||
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[[File:Mynd fyrir toflu2.png]] | [[File:Mynd fyrir toflu2.png]] | ||
{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
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Line 138: | Line 108: | ||
|align="center"| CN ||align="center"| 36.7 | |align="center"| CN ||align="center"| 36.7 | ||
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'''表3:'''チアゾール環の関わり方によるIC<sub>50</sub>値の違い(他の構造は何も変えていない(X = Cl, R = フェニルと2-フリル)。 | |||
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{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
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! | ! 化合物 !! IC<sub>50</sub> (nM) | ||
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|align="center"| [[File:Mynd fyrir toflu3-1.png]] ||align="center"| 0.720 | |align="center"| [[File:Mynd fyrir toflu3-1.png]] ||align="center"| 0.720 | ||
Line 150: | Line 118: | ||
|align="center"| [[File:Mynd fyrir toflu3-2.png]] ||align="center"| 1.11 | |align="center"| [[File:Mynd fyrir toflu3-2.png]] ||align="center"| 1.11 | ||
|} | |} | ||
== こちらも参照 == | |||
* [[Sodium-glucose transport proteins/ja]] | |||
* [[Sodium-glucose transport proteins]] | * [[SLC5A2/ja]] | ||
* [[SLC5A2]] | * [[SGLT1/ja]] | ||
* [[SGLT1]] | * [[SGLT2/ja]] | ||
* [[SGLT2]] | * [[Dapagliflozin/ja]] | ||
* [[Dapagliflozin]] | * [[Empagliflozin/ja]] | ||
* [[Empagliflozin]] | * [[Canagliflozin/ja]] | ||
* [[Canagliflozin]] | * [[Ipragliflozin/ja]] | ||
* [[Ipragliflozin]] | |||
{{Drug design/ja}} | |||
{{Drug design}} | |||
[[Category:Drug discovery|Gliflozins]] | [[Category:Drug discovery|Gliflozins]] | ||
[[Category:SGLT2 inhibitors| ]] | [[Category:SGLT2 inhibitors| ]] | ||