Translations:Adipose tissue/41/ja
DNAマイクロアレイは、様々な遺伝子の発現レベルを同時に定量化するために使用されるバイオインフォマティクスツールであり、脂肪組織の研究に広く使用されている。そのような研究のひとつに、マイクロアレイ解析とIngenuity IPAソフトウェアを併用し、マウスを28℃と6℃の温度に暴露したときのWATとBATの遺伝子発現の変化を調べたものがある。その後、最も有意に発現が増加した遺伝子と減少した遺伝子が同定され、発現経路の解析に用いられた。その結果、寒冷曝露後にWATで発現が上昇する経路の多くは、BATでも発現が高いことが判明した。例えば、酸化的リン酸化、脂肪酸代謝、ピルビン酸代謝などである。このことは、脂肪細胞の一部が6 °Cでベージュ色の表現型に切り替わったことを示唆している。Mössenböckらはまた、マイクロアレイ解析を用いて、インスリン欠乏はベージュ脂肪細胞の分化を阻害するが、褐変能力は妨げないことを示した。これら2つの研究は、WATの褐変研究にマイクロアレイを用いる可能性を示している。