最古のチーズはおそらくかなり酸っぱく塩辛いもので、素朴なカッテージチーズや、砕けやすく風味豊かなギリシャのチーズ、フェタに似た食感だった。中東よりも気候が涼しいヨーロッパで生産されたチーズは、保存に必要な塩分が少なかった。塩分と酸味が少ないため、チーズは有用な微生物やカビにとって適した環境となり、熟成したチーズにそれぞれの風味を与えるようになった。これまでに発見された最古の保存チーズは、中国の新疆ウイグル自治区にあるタクラマカン砂漠で発見されたもので、紀元前1615年(現在から3600年前)のものである。