室温以上になると、ほとんどのハードチーズは溶けてしまう。レンネットで凝固したチーズは、ゲル状のタンパク質マトリックスを持っており、それが熱によって分解される。タンパク質の結合が十分に破壊されると、チーズ自体が固体から粘性のある液体に変化する。ソフトで水分の多いチーズは55℃程度で溶けるが、パルメザンのようなハードで水分の少ないチーズは82℃程度になるまで固体のままである。ハルーミ、パニール、いくつかのホエイチーズ、多くの種類のフレッシュゴートチーズなどの酸味のあるチーズは、高温でもタンパク質の構造が崩れない。加熱調理すると、水分が蒸発して硬くなる。