Translations:Adipose tissue/27/ja
近年のバイオテクノロジーの進歩により、脂肪組織から成体幹細胞を採取できるようになり、患者自身の細胞を用いて組織の再生を刺激できるようになった。 加えて、ヒトおよび動物の脂肪由来幹細胞は、フィーダー細胞を必要とせず、効率的に人工多能性幹細胞に初期化できると報告されている。患者自身の細胞を用いることで、組織拒絶反応の可能性を減らし、ヒト胚性幹細胞の使用に伴う倫理的問題を回避することができる。また、脂肪沈着部位(腹部、卵膜、心膜など)の違いによ って、異なる特徴を持つ脂肪由来幹細胞が得られることを 示す証拠も増えてきている。 これらのデポに依存した特徴には、増殖速度、免疫表現型、分化能、遺伝子発現、低酸素培養条件に対する感受性などがある。酸素レベルは、脂肪由来幹細胞の代謝や機能全般に重要な役割を果たしているようだ。