Translations:Type 2 diabetes/19/ja
肥満や2型糖尿病でみられる加齢に伴うインスリン抵抗性の原因は不明である。肝細胞や筋肉細胞における細胞内脂質代謝やATP産生の影響がインスリン抵抗性に寄与している可能性がある。また、インスリン抵抗性の発症における視床下部と呼ばれる脳領域の役割を指摘する新しい証拠もある。Dusp8と呼ばれる遺伝子は、糖尿病のリスク上昇と関連している。この遺伝子は視床下部の神経細胞シグナル伝達を制御するタンパク質をコードしている。また、レプチンと呼ばれるホルモンを視床下部に注入すると、糖尿病動物の血糖値が正常化し、インスリン抵抗性が減少する。レプチンによる視床下部細胞の活性化は、血糖値を正常に保つ上で重要な役割を担っている。したがって、膵臓の内分泌細胞と視床下部の細胞の両方が、2型糖尿病の病因に関与している可能性がある。