Translations:Fish/105/ja
魚を題材とするテーマは多くの宗教で象徴的な意味を持つ。古代メソポタミアでは、最も初期から神々への供物として魚が捧げられていた。魚はまた、水の神であるエンキの主要な象徴でもあった。魚は古バビロニア王朝(紀元前1830年頃–紀元前1531年頃)や新アッシリア帝国(紀元前911年–紀元前609年)の円筒印章に充填模様として頻繁に登場する。カッシート時代(紀元前1600年頃–紀元前1155年頃)からアケメネス朝ペルシア時代初期(紀元前550年–紀元前30年頃)にかけて、治療師や祓魔師は魚の体を模した祭礼衣装を身につけた。セレウコス朝時代(紀元前312年–紀元前63年)、伝説的なバビロニアの文化英雄であるオアンネスは魚の皮をまとっていたと言われている。魚はシリアの女神アタルガティスにとって神聖なものであり、彼女の祭りの間、魚を食べることが許されたのは彼女の神官だけであった。『ヨナ書』では、主人公である預言者ヨナが乗船していた船から投げ出された後、大魚に呑み込まれる。初期キリスト教徒は、イエスを象徴するために魚のシンボルであるイクトゥスを用いた。魚の姿をとるとされる神々には、ポリネシア人のイカテレ、ハワイのサメの神カーモホアリイ、ヒンドゥー教のマツヤがいる。うお座(「魚たち」)は、古代ローマの伝説においてヴィーナスとその息子クピードーが二匹の魚に救われたことと結び付けられている。