Translations:Potassium/59/ja
制御メカニズム
血漿中のカリウム含量は、4つの基本的なメカニズムによって厳密に制御されており、これらのメカニズムには様々な名称や分類がある。これらは以下の通りである:
- 反応性ネガティブ・フィードバック・システム、
- 反応性フィードフォワードシステム
- 予測または概日システム、および
- 内部または細胞膜輸送システムである。
最初の3つを総称して「外部カリウム恒常性システム」、最初の2つを「反応性カリウム恒常性システム」と呼ぶこともある。
- 反応性ネガティブフィードバックシステムとは、血漿カリウムの上昇(カリウムの摂取、細胞外への移行、静脈内注入)に反応して、カリウムの腎分泌を誘導するシステムのことである。
- 反応性フィードフォワード系とは、血漿カリウムが上昇する前に、カリウム摂取に反応して腎カリウム分泌を誘導する、不完全に理解されている系を指す。これはおそらく、摂取されたカリウムを検出し、迷走神経求心性シグナルを誘発する腸細胞のカリウム受容体によって開始される。
- 予測系または概日系は、カリウム摂取の有無や量とは無関係に、食事の時間帯(例えばヒトでは昼間、げっ歯類では夜間)にカリウムの腎分泌を増加させる。これは脳(中枢時計)の視交叉上核にある概日発振器によって媒介され、腎臓(末梢時計)にこのリズムの概日法でカリウムを分泌させる。

- イオン輸送系は、2つのメカニズムを用いてカリウムを細胞膜を横切って移動させる。一つは能動的で、ナトリウムを細胞外に、カリウムを細胞内に送り出す。もう1つは受動的で、カリウムを細胞外に漏出させる。カリウムとナトリウムの陽イオンは、浸透圧力によって細胞内区画と細胞外区画の間の体液分布に影響を与える。細胞膜を介したカリウムとナトリウムの移動は、Na⁺/K⁺-ATPaseポンプによって媒介される。このイオンポンプは、ATPを用いて、3つのナトリウムイオンを細胞外に、2つのカリウムイオンを細胞内に送り出し、細胞膜全体に電気化学的勾配と起電力を作り出す。非常に選択性の高いカリウムイオンチャネル(四量体である)は、一例を挙げると、活動電位が引き起こされた後のニューロン内の過分極に極めて重要である。最も最近発見されたカリウムイオンチャネルはKirBac3.1であり、これで構造が決定されたカリウムイオンチャネルは全部で5つ(KcsA、KirBac1.1、KirBac3.1、KvAP、MthK)となった。5つとも原核生物由来のものである。