Translations:Black pepper/32/ja
中世ヨーロッパ
コショウは非常に貴重であったため、しばしば担保や通貨としてさえ使用された。コショウの味覚(あるいはその金銭的価値の評価)は、ローマ帝国の崩壊を目撃する者たちに受け継がれた。アラリック(西ゴート族の王)は、5世紀にローマを包囲した際にローマに要求した身代金の一部として、3,000ポンドのコショウを含めた。ローマの崩壊後、スパイス貿易の中間経路は、まずペルシャ人、次いでアラブ人が引き継いだ。イネス・ミラーは、東方へインドまで旅したコスマス・インディコプレウステスの記述を引用し、「6世紀にもコショウがインドから輸出されていた」ことの証拠としている。中世初期の終わりには、スパイス貿易の中心部分はイスラムの支配下にしっかりと置かれた。地中海に入ると、貿易は主にイタリアの勢力、特にヴェネツィア共和国とジェノヴァ共和国によって独占された。これらの都市国家の勃興は、大部分がスパイス貿易によって資金提供された。