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ある種の細菌が果たす積極的な役割に関する近代的な仮説の原型は、ロシアの科学者でありノーベル賞受賞者でもあるエリー・メチニコフによって初めて紹介された。エリー・メチニコフは1907年、腸内細菌叢を改変し、有害な微生物を有用な微生物に置き換えることが可能であると示唆した。当時パリのパスツール研究所の教授であったメチニコフは、老化プロセスは大腸で有毒物質を生成する腐敗(タンパク質分解)微生物の活動に起因するという仮説を提唱した。正常な腸内細菌叢の一部であるクロストリジウムなどのタンパク質分解菌は、タンパク質の消化からフェノール、インドール、アンモニアなどの毒性物質を産生する。エリー・メチニコフによれば、これらの化合物は彼が「腸内自家中毒」と呼ぶものの原因であり、これが老齢に伴う身体的変化を引き起こすのだという。