Collagen/ja: Difference between revisions
Collagen/ja
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[[Image:Collagentriplehelix.png|thumb|upright=1.5|トロポコラーゲン分子:3つの左巻きプロコラーゲン(赤、緑、青)が結合し、右巻き三重らせんトロポコラーゲンを形成する。]] | [[Image:Collagentriplehelix.png|thumb|upright=1.5|トロポコラーゲン分子:3つの左巻きプロコラーゲン(赤、緑、青)が結合し、右巻き三重らせんトロポコラーゲンを形成する。]] | ||
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1個のコラーゲン分子であるトロポコラーゲンは、線維のような大きなコラーゲン凝集体を構成するために使用される。長さは約300 [[:en:nanometre|nm]]、直径は1.5 nmで、3本の[[polypeptide/ja|ポリペプチド]]鎖(アルファペプチドと呼ばれる。ステップ2参照)これら3つの左巻き[[helix/ja|らせん]]は、ねじれながら右巻きの3重らせん、または「スーパーらせん」となり、多くの[[hydrogen bond/ja|水素結合]]によって安定化された協力的な[[quaternary structure/ja|4次構造]]を形成する。全てのコラーゲンではないにせよ、I型コラーゲンやおそらく全ての線維性コラーゲンでは、各三重らせんはコラーゲン・ミクロフィブリルと呼ばれる右巻きの超スーパーコイルに結合する。各ミクロフィブリルは隣接するミクロフィブリルと[[wikt:interdigitate/ja|聯絡]]しており、コラーゲン線維内では結晶と言えるほど整然と並んでいるが、個々が不安定であることを示唆する程度である。 | 1個のコラーゲン分子であるトロポコラーゲンは、線維のような大きなコラーゲン凝集体を構成するために使用される。長さは約300 [[:en:nanometre|nm]]、直径は1.5 nmで、3本の[[polypeptide/ja|ポリペプチド]]鎖(アルファペプチドと呼ばれる。ステップ2参照)これら3つの左巻き[[helix/ja|らせん]]は、ねじれながら右巻きの3重らせん、または「スーパーらせん」となり、多くの[[hydrogen bond/ja|水素結合]]によって安定化された協力的な[[quaternary structure/ja|4次構造]]を形成する。全てのコラーゲンではないにせよ、I型コラーゲンやおそらく全ての線維性コラーゲンでは、各三重らせんはコラーゲン・ミクロフィブリルと呼ばれる右巻きの超スーパーコイルに結合する。各ミクロフィブリルは隣接するミクロフィブリルと[[wikt:interdigitate/ja|聯絡]]しており、コラーゲン線維内では結晶と言えるほど整然と並んでいるが、個々が不安定であることを示唆する程度である。 | ||
[[File:Collagen biosynthesis (en).png|thumb|upright=1.3|3つの[[polypeptide/ja|ポリペプチド]]がコイル状になってトロポコラーゲンを形成する。その後、多くのトロポコラーゲンが結合してフィブリルを形成し、その多くが線維を形成する。]] | |||
[[File:Collagen biosynthesis (en).png|thumb|upright=1.3|3つの[[polypeptide/ja|ポリペプチド]] | |||
コラーゲンの特徴は、コラーゲンサブユニットの3本の鎖のそれぞれに[[amino acid/ja|アミノ酸]]が規則正しく並んでいることである。その配列はしばしば[[glycine/ja|Gly]]-[[proline/ja|Pro]]-XまたはGly-X-[[hydroxyproline/ja|Hyp]]のパターンに従う。プロリンまたはヒドロキシプロリンは全塩基配列の約1/6を占める。コラーゲン配列の1/3がグリシンであることから、コラーゲン配列の約半分はグリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンではないことになる。コラーゲンの高いグリシン含量は、コラーゲンらせんの安定化に関して重要である。これは、分子内のコラーゲン線維の非常に密接な結合を可能にし、水素結合と分子間架橋の形成を促進するからである。このような規則的な繰り返しと高いグリシン含量は、絹[[fibroin/ja|フィブロイン]]のような数少ない繊維状タンパク質にしか見られない。 | コラーゲンの特徴は、コラーゲンサブユニットの3本の鎖のそれぞれに[[amino acid/ja|アミノ酸]]が規則正しく並んでいることである。その配列はしばしば[[glycine/ja|Gly]]-[[proline/ja|Pro]]-XまたはGly-X-[[hydroxyproline/ja|Hyp]]のパターンに従う。プロリンまたはヒドロキシプロリンは全塩基配列の約1/6を占める。コラーゲン配列の1/3がグリシンであることから、コラーゲン配列の約半分はグリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンではないことになる。コラーゲンの高いグリシン含量は、コラーゲンらせんの安定化に関して重要である。これは、分子内のコラーゲン線維の非常に密接な結合を可能にし、水素結合と分子間架橋の形成を促進するからである。このような規則的な繰り返しと高いグリシン含量は、絹[[fibroin/ja|フィブロイン]]のような数少ない繊維状タンパク質にしか見られない。 | ||
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上記の疾患に加えて、[[scleroderma/ja|強皮症]]ではコラーゲンの過剰沈着が起こる。 | 上記の疾患に加えて、[[scleroderma/ja|強皮症]]ではコラーゲンの過剰沈着が起こる。 | ||
==病気{{Anchor|Diseases}}== | |||
==Diseases== | 20種類以上のコラーゲンのうち12種類で1000もの変異が同定されている。これらの変異は組織レベルで様々な病気を引き起こす可能性がある。 | ||
[[Osteogenesis imperfecta/ja|骨形成不全症]] - ''1型コラーゲン''の突然変異によって引き起こされ、優性常染色体疾患であり、骨が弱く、結合組織が不規則である。軽症例では1型コラーゲンのレベルが低下しているが、重症例ではコラーゲンの構造的欠陥がある。 | |||
[[Osteogenesis imperfecta]] | |||
[[Chondrodysplasia/ja|軟骨異形成症]] - ''2型コラーゲン''の突然変異によって引き起こされると考えられている骨格障害であるが、これを確認するためにさらなる研究が行われている。 | |||
[[Chondrodysplasia]] | |||
[[Ehlers–Danlos syndrome/ja|エーラス・ダンロス症候群]] - 結合組織の変形を引き起こすこの疾患は、13の異なるタイプが知られている。まれなタイプでは、動脈が破裂する致死的なものもある。それぞれの症候群は異なる突然変異によって引き起こされる。例えば、この疾患の血管型(vEDS)は''3型コラーゲン''の突然変異によって起こる。 | |||
[[Ehlers–Danlos syndrome]] | |||
[[Alport syndrome/ja|アルポート症候群]] - 遺伝的に受け継がれる可能性があり、通常はX連鎖優性遺伝であるが、常染色体優性遺伝や常染色体劣性遺伝もある。 | |||
[[Alport syndrome]] | |||
[[Knobloch syndrome/ja|ノブロッホ症候群]] - コラーゲンXVIIIの産生をコードする[[COL18A1/ja|COL18A1]]遺伝子の変異によって引き起こされる。脳組織の突出と網膜の変性がみられる。家族にこの疾患の患者がいる場合、遺伝的な関連性があるため、自分自身が発症するリスクが高くなる。 | |||
[[Knobloch syndrome]] | |||
==特徴{{Anchor|Characteristics}}== | |||
==Characteristics== | コラーゲンは長い[[fibrous protein/ja|繊維構造タンパク質]]の一つであり、その機能は[[enzyme/ja|酵素]]などの[[globular protein/ja|球状タンパク質]]とは全く異なる。''コラーゲン線維''と呼ばれる丈夫なコラーゲンの束は、ほとんどの組織を支え、細胞に外側から構造を与える[[extracellular matrix/ja|細胞外マトリックス]]の主要な構成要素であるが、コラーゲンはある種の細胞内部にも存在する。コラーゲンは大きな[[tensile strength/ja|引っ張り強度]]を持ち、[[fascia/ja|筋膜]]、[[cartilage/ja|軟骨]]、[[ligament/ja|靭帯]]、[[tendon/ja|腱]]、[[bone/ja|骨]]、皮膚の主成分である。[[elastin/ja|エラスチン]]や柔らかい[[keratin/ja|ケラチン]]とともに皮膚の強度と弾力性を担っており、その劣化は[[aging/ja|老化]]に伴う[[wrinkle/ja|しわ]]の原因となる。[[blood vessel/ja|血管]]を強化し、[[biological tissue/ja|組織]]の発達に関与する。眼の[[cornea/ja|角膜]]や水晶体には[[crystal/ja|結晶]]線状で存在する。[[Mesozoic/ja|中生代]]や[[Paleozoic/ja|古生代]]の骨でも頻繁に化石化することから、化石記録では最も豊富なタンパク質の1つかもしれない。 | ||
===用途=== | |||
[[file:Beretta Salami and Collagen Casing .jpg|right|150px|thumb|サラミとその中に入っていたコラーゲンのケーシング(下)]] | |||
[[file:Beretta Salami and Collagen Casing .jpg|right|150px|thumb| | コラーゲンの用途は食品から医薬品まで多岐にわたる。医療業界では、[[plastic surgery/ja|美容外科]]や[[burn (injury)/ja|火傷手術]]に使用されている。食品分野では、[[casing (sausage)/ja|ソーセージ用ケーシング]]が使用例のひとつである。 | ||
コラーゲンが加熱などの十分な[[denaturation (biochemistry)/ja|変性]]を受けると、3本のトロポコラーゲン鎖は部分的または完全に分離して球状ドメインとなり、[[random coil/ja|ランダムコイル]]の通常のコラーゲン・ポリプロリンII(PPII)とは異なる二次構造を含む。このプロセスは[[gelatin/ja|ゼラチン]]の形成を説明するものであり、味付けされた[[gelatin dessert/ja|ゼラチンデザート]]を含む多くの食品に使用されている。食品以外にも、ゼラチンは製薬、化粧品、写真産業で使用されている。ゼラチンは[[dietary supplement/ja|栄養補助食品]]としても使用され、老化防止薬としても宣伝されている。 | |||
ギリシア語で糊を意味する''kolla''から、コラーゲンという言葉は「[[animal glue/ja|糊]]生産者」を意味し、糊を得るために馬や他の動物の皮膚や[[tendon/ja|筋]]を煮沸する初期のプロセスを指す。コラーゲン接着剤は約4,000年前にエジプト人によって使用され、ネイティブ・アメリカンは約1,500年前に[[:en:bow (weapon)|弓]]に使用していた。世界最古の接着剤は[[radiocarbon dating/ja|炭素年代]]で8,000年以上前のもので、コラーゲンであることが判明した-縄籠や[[:en:embroidery|刺繍]]された[[:en:Textile|ファブリック]]の保護裏地として、[[:en:list of eating utensils|食器]]をつなぎ合わせるために、また[[human skull/ja|人間の頭蓋骨]]の十字の装飾に使われていた。コラーゲンは通常ゼラチンに変化するが、乾燥状態のために生き残った。動物の接着剤は[[thermoplastic/ja|熱可塑性]]であり、再加熱すると再び軟化するため、現在でも高級バイオリンやギターなどの[[:en:musical instrument|楽器]]の製作に使われている。永久的で強靭な[[chemical synthesis/ja|合成]]プラスチック接着剤とは相容れない用途である。革を含む動物のすじや皮は、何千年もの間、有用な物品を作るために使われてきた。 | |||
ゼラチン-[[resorcinol/ja|レゾルシノール]]-[[formaldehyde/ja|ホルムアルデヒド]]接着剤(およびホルムアルデヒドを毒性の低いペンタンジアルと[[glyoxal/ja|エタンジアル]]に置き換えたもの)は、ウサギの[[lung/ja|肺]]の実験的切開の修復に用いられてきた。 | |||
=== 化粧品 | === 化粧品 |