Collagen/ja: Difference between revisions
Collagen/ja
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[[Image:Collagentriplehelix.png|thumb|upright=1.5|トロポコラーゲン分子:3つの左巻きプロコラーゲン(赤、緑、青)が結合し、右巻き三重らせんトロポコラーゲンを形成する。]] | [[Image:Collagentriplehelix.png|thumb|upright=1.5|トロポコラーゲン分子:3つの左巻きプロコラーゲン(赤、緑、青)が結合し、右巻き三重らせんトロポコラーゲンを形成する。]] | ||
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1個のコラーゲン分子であるトロポコラーゲンは、線維のような大きなコラーゲン凝集体を構成するために使用される。長さは約300 [[:en:nanometre|nm]]、直径は1.5 nmで、3本の[[polypeptide/ja|ポリペプチド]]鎖(アルファペプチドと呼ばれる。ステップ2参照)これら3つの左巻き[[helix/ja|らせん]]は、ねじれながら右巻きの3重らせん、または「スーパーらせん」となり、多くの[[hydrogen bond/ja|水素結合]]によって安定化された協力的な[[quaternary structure/ja|4次構造]]を形成する。全てのコラーゲンではないにせよ、I型コラーゲンやおそらく全ての線維性コラーゲンでは、各三重らせんはコラーゲン・ミクロフィブリルと呼ばれる右巻きの超スーパーコイルに結合する。各ミクロフィブリルは隣接するミクロフィブリルと[[wikt:interdigitate/ja|聯絡]]しており、コラーゲン線維内では結晶と言えるほど整然と並んでいるが、個々が不安定であることを示唆する程度である。 | 1個のコラーゲン分子であるトロポコラーゲンは、線維のような大きなコラーゲン凝集体を構成するために使用される。長さは約300 [[:en:nanometre|nm]]、直径は1.5 nmで、3本の[[polypeptide/ja|ポリペプチド]]鎖(アルファペプチドと呼ばれる。ステップ2参照)これら3つの左巻き[[helix/ja|らせん]]は、ねじれながら右巻きの3重らせん、または「スーパーらせん」となり、多くの[[hydrogen bond/ja|水素結合]]によって安定化された協力的な[[quaternary structure/ja|4次構造]]を形成する。全てのコラーゲンではないにせよ、I型コラーゲンやおそらく全ての線維性コラーゲンでは、各三重らせんはコラーゲン・ミクロフィブリルと呼ばれる右巻きの超スーパーコイルに結合する。各ミクロフィブリルは隣接するミクロフィブリルと[[wikt:interdigitate/ja|聯絡]]しており、コラーゲン線維内では結晶と言えるほど整然と並んでいるが、個々が不安定であることを示唆する程度である。 | ||
[[File:Collagen biosynthesis (en).png|thumb|upright=1.3|3つの[[polypeptide/ja|ポリペプチド]]がコイル状になってトロポコラーゲンを形成する。その後、多くのトロポコラーゲンが結合してフィブリルを形成し、その多くが線維を形成する。]] | |||
[[File:Collagen biosynthesis (en).png|thumb|upright=1.3|3つの[[polypeptide/ja|ポリペプチド]] | |||
コラーゲンの特徴は、コラーゲンサブユニットの3本の鎖のそれぞれに[[amino acid/ja|アミノ酸]]が規則正しく並んでいることである。その配列はしばしば[[glycine/ja|Gly]]-[[proline/ja|Pro]]-XまたはGly-X-[[hydroxyproline/ja|Hyp]]のパターンに従う。プロリンまたはヒドロキシプロリンは全塩基配列の約1/6を占める。コラーゲン配列の1/3がグリシンであることから、コラーゲン配列の約半分はグリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンではないことになる。コラーゲンの高いグリシン含量は、コラーゲンらせんの安定化に関して重要である。これは、分子内のコラーゲン線維の非常に密接な結合を可能にし、水素結合と分子間架橋の形成を促進するからである。このような規則的な繰り返しと高いグリシン含量は、絹[[fibroin/ja|フィブロイン]]のような数少ない繊維状タンパク質にしか見られない。 | コラーゲンの特徴は、コラーゲンサブユニットの3本の鎖のそれぞれに[[amino acid/ja|アミノ酸]]が規則正しく並んでいることである。その配列はしばしば[[glycine/ja|Gly]]-[[proline/ja|Pro]]-XまたはGly-X-[[hydroxyproline/ja|Hyp]]のパターンに従う。プロリンまたはヒドロキシプロリンは全塩基配列の約1/6を占める。コラーゲン配列の1/3がグリシンであることから、コラーゲン配列の約半分はグリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンではないことになる。コラーゲンの高いグリシン含量は、コラーゲンらせんの安定化に関して重要である。これは、分子内のコラーゲン線維の非常に密接な結合を可能にし、水素結合と分子間架橋の形成を促進するからである。このような規則的な繰り返しと高いグリシン含量は、絹[[fibroin/ja|フィブロイン]]のような数少ない繊維状タンパク質にしか見られない。 | ||
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グリシンは側鎖を持たない最小のアミノ酸であるため、繊維状構造タンパク質においてユニークな役割を果たしている。コラーゲンでは、三重らせんの組み立てにより、この残基がらせんの内側(軸)に置かれるため、グリシンの[[hydrogen/ja|水素]]原子1個よりも大きな側基を置くスペースがないため、3番目ごとにグリシンが必要とされる。同じ理由で、ProとHypの環は外側を向いていなければならない。魚のように[[thermoregulation/ja|体温]]がほとんどの温血動物よりも低い動物では、より低濃度のアミノ酸が必要とされる。より低いプロリンとヒドロキシプロリン含量は冷水性魚類に特徴的であるが、温水性魚類には特徴的ではない。冷水魚やその他の[[poikilothermic/ja|恒温動物]]のプロリンやヒドロキシプロリン含量が低いということは、そのコラーゲンが哺乳類のコラーゲンよりも熱安定性が低いということにつながる。この低い熱安定性は、魚類コラーゲン由来の[[gelatin/ja|ゼラチン]]が多くの食品や工業用途に適していないことを意味する。 | グリシンは側鎖を持たない最小のアミノ酸であるため、繊維状構造タンパク質においてユニークな役割を果たしている。コラーゲンでは、三重らせんの組み立てにより、この残基がらせんの内側(軸)に置かれるため、グリシンの[[hydrogen/ja|水素]]原子1個よりも大きな側基を置くスペースがないため、3番目ごとにグリシンが必要とされる。同じ理由で、ProとHypの環は外側を向いていなければならない。魚のように[[thermoregulation/ja|体温]]がほとんどの温血動物よりも低い動物では、より低濃度のアミノ酸が必要とされる。より低いプロリンとヒドロキシプロリン含量は冷水性魚類に特徴的であるが、温水性魚類には特徴的ではない。冷水魚やその他の[[poikilothermic/ja|恒温動物]]のプロリンやヒドロキシプロリン含量が低いということは、そのコラーゲンが哺乳類のコラーゲンよりも熱安定性が低いということにつながる。この低い熱安定性は、魚類コラーゲン由来の[[gelatin/ja|ゼラチン]]が多くの食品や工業用途に適していないことを意味する。 | ||
トロポコラーゲン[[protein subunit/ja|サブユニット]]は自発的に[[molecular self-assembly/ja|自己組織化]]し、規則正しくずらされた末端を持ち、組織の[[extracellular/ja|細胞外]]空間でさらに大きな配列になる。線維の追加的な組み立ては線維芽細胞によって誘導され、線維芽細胞は線維形成因子から完全に形成された線維を沈着させる。線維性コラーゲンでは、分子は隣接する分子に対して約67 [[:en:Nanometre|nm]]ずらされている(単位は「D」と呼ばれ、凝集体の水和状態によって変化する)。ミクロフィブリルの各D周期の繰り返しには、断面で5つの分子を含む「オーバーラップ」と呼ばれる部分と、4つの分子のみを含む「ギャップ」と呼ばれる部分がある。これらのオーバーラップ領域とギャップ領域は、ミクロフィブリルがフィブリルに集合する際に保持されるため、電子顕微鏡で観察することができる。ミクロフィブリル中の三重らせん状のトロポコラーゲンは、準六角形のパッキングパターンで配列している。 | |||
[[File:Collagen fibrils in rabbit skin.jpg|thumb|upright|コラーゲン線維のD周期は、電子顕微鏡で観察すると67nmのバンドが見える。]] | |||
[[File:Collagen fibrils in rabbit skin.jpg|thumb|upright| | 三重らせん内にはいくつかの[[covalent bond/ja|共有]]架橋があり、トロポコラーゲンらせん間には様々な量の共有結合架橋があり、よく組織化された凝集体(フィブリルなど)を形成している。より大きな線維束は、いくつかの異なるクラスのタンパク質(異なるコラーゲンタイプを含む)、糖タンパク質、プロテオグリカンの助けを借りて形成され、同じキープレーヤーの交互の組み合わせから異なるタイプの成熟組織を形成する。コラーゲンの[[soluble/ja|不溶性]]は、まだ完全に[[cross-link/ja|架橋]]していないため、若い動物からトロポコラーゲンを抽出できることが発見されるまで、単量体コラーゲンの研究の障壁であった。しかし、顕微鏡技術(電子顕微鏡(EM)や原子間力顕微鏡(AFM)など)やX線回折の進歩により、研究者はコラーゲン構造の詳細な画像を''その場で''得ることができるようになった。コラーゲンの構造が、細胞間や細胞-マトリックス間のコミュニケーションにどのような影響を与えるのか、また、組織がどのように成長・修復され、発生や疾患においてどのように変化するのかをより深く理解するためには、これらの進歩は特に重要である。例えば、AFMベースのナノインデンテーションを用いて、1本のコラーゲン線維がその軸方向に沿って不均質な材料であり、そのギャップ領域とオーバーラップ領域で機械的特性が著しく異なることが示され、この2つの領域における分子組織の違いと相関している。 | ||
コラーゲン線維/凝集体は、様々な組織において様々な組み合わせと濃度で配列され、様々な組織特性をもたらしている。骨では、コラーゲンの三重らせん全体が平行に、千鳥配列で並んでいる。トロポコラーゲンサブユニットの末端間の40 nmの隙間(隙間領域とほぼ等しい)は、おそらくヒドロキシルアパタイト(約)Ca<sub>10</sub>(OH)<sub>2</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>6</sub>であるミネラル成分の長く硬い微細な結晶の沈着の核形成部位として機能する。I型コラーゲンは骨に[[tensile strength/ja|引っ張り強度]]を与える。 | |||
< | <span id="Associated_disorders"></span> | ||
==Associated disorders== | ==関連疾患{{Anchor|Associated disorders}}== | ||
コラーゲン関連疾患は、最も一般的には、正常なコラーゲン産生に関与する生合成、アセンブリー、翻訳後修飾、分泌、その他の過程に影響を及ぼす遺伝的欠陥や栄養欠乏から生じる。 | |||
{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
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|+''' | |+'''コラーゲン遺伝子の遺伝子異常''' | ||
| '''タイプ''' || '''備考''' || '''遺伝子''' || '''[[Collagen disease/ja|障害]]''' | |||
| ''' | |||
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| [[Type-I collagen|I]] || | | [[Type-I collagen/ja|I]] || 人体に最も多く存在するコラーゲンである。組織が修復によって[[healing/ja|治療]]する際の最終産物である[[scar/ja|瘢痕]]組織に存在する。[[tendon/ja|腱]]、皮膚、動脈壁、角膜、筋線維を取り囲む[[endomysium/ja|内膜]]、線維軟骨、骨や歯の器質部分に存在する。 || [[COL1A1/ja]], [[COL1A2/ja]] || [[Osteogenesis imperfecta/ja]], [[Ehlers–Danlos syndrome/ja]], [[infantile cortical hyperostosis/ja]] 別名キャッフィー病 | ||
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| [[Type-II collagen|II]] || [[Hyaline cartilage]] | | [[Type-II collagen/ja|II]] || [[Hyaline cartilage/ja|ヒアリン軟骨]]は軟骨タンパク質の50%を占める。眼球の[[vitreous humour/ja|硝子体液]] || [[COL2A1/ja]] || [[Collagenopathy, types II and XI/ja]] | ||
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| [[Type-III collagen|III]] || | | [[Type-III collagen/ja|III]] || これは[[granulation tissue/ja|肉芽組織]]のコラーゲンであり、より丈夫なI型コラーゲンが合成される前に、若い線維芽細胞によって速やかに産生される。[[reticular fiber/ja|網状線維]]。動脈壁、皮膚、腸、子宮にも見られる。 || [[COL3A1/ja]] || [[Ehlers–Danlos syndrome/ja]], [[Dupuytren's contracture/ja]] | ||
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| [[Type-IV collagen|IV]] || [[Basal lamina]] | | [[Type-IV collagen/ja|IV]] || [[Basal lamina/ja|基底膜]]、[[eye lens/ja|眼球の水晶体]]。また、[[capillaries/ja|毛細血管]]および[[kidney/ja|腎臓]]の[[nephron/ja|ネフロン]]の[[Glomerulus (kidney)/ja|糸球体]]の濾過システムの一部としても機能する。 || [[Collagen, type IV, alpha 1/ja|COL4A1]], [[COL4A2/ja]], [[COL4A3/ja]], [[COL4A4/ja]], [[COL4A5/ja]], [[COL4A6/ja]] || [[Alport syndrome/ja]], [[Goodpasture's syndrome/ja]] | ||
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| V || | | V || ほとんどの間質組織は、I型と関連している。 [[placenta/ja]] || [[COL5A1/ja]], [[COL5A2/ja]], [[COL5A3/ja]] || [[Ehlers–Danlos syndrome/ja]] (classical) | ||
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| VI || | | VI || ほとんどの間質組織は、I型と関連している。 || [[COL6A1/ja]], [[COL6A2/ja]], [[COL6A3/ja]], [[COL6A5/ja]] || [[Ulrich myopathy/ja]], [[Bethlem myopathy/ja]], [[atopic dermatitis/aj]] | ||
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| VII || | | VII || [[dermoepidermal junction/ja|真皮表皮接合部]]で[[anchoring fibril/ja|アンカリング線維]]を形成する。 || [[COL7A1/ja]] || [[Epidermolysis bullosa dystrophica/ja]] | ||
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| VIII || | | VIII || いくつかの[[endothelium/ja内皮]]細胞がある。 || [[COL8A1/ja]], [[COL8A2/ja]] || [[Posterior polymorphous corneal dystrophy 2/ja]] | ||
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| IX || [[FACIT collagen]], | | IX || [[FACIT collagen/ja|FACITコラーゲン]], 軟骨、II型およびXI型線維に関連する。 || [[COL9A1/ja]], [[COL9A2/ja]], [[COL9A3/ja]] || [[EDM2/ja]]と[[EDM3/ja]] | ||
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| X || [[Hypertrophic]] | | X || [[Hypertrophic/ja|肥大型]]と[[Mineralization (biology)/ja|石化]]軟骨 || [[COL10A1/ja]] || [[Schmid metaphyseal dysplasia/ja]] | ||
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| XI || | | XI || 軟骨 || [[COL11A1/ja]], [[COL11A2/ja]] || [[Collagenopathy, types II and XI/ja]] | ||
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| XII || [[FACIT collagen]], | | XII || [[FACIT collagen/ja|FACITコラーゲン]], フィブリル、[[decorin/ja|デコリン]]およびグリコサミノグリカンを含むI型と相互作用する || [[COL12A1/ja]] || – | ||
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| XIII || | | XIII || 膜貫通型コラーゲンで、インテグリンa1b1、[[fibronectin/ja|フィブロネクチン]]、および[[didogen/ja|ニドゲン]]や[[perlecan/ja|ペルレカン]]のような基底膜の成分と相互作用する。 || [[COL13A1/ja]] || – | ||
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| XIV|| [[FACIT collagen]], | | XIV|| [[FACIT collagen/ja|FACITコラーゲン]], 別名ウンドゥリン || [[COL14A1/ja]] || – | ||
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| XV || – || [[COL15A1]] || – | | XV || – || [[COL15A1/ja]] || – | ||
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| XVI || [[FACIT collagen]] || [[COL16A1]] || – | | XVI || [[FACIT collagen/ja|FACITコラーゲン]] || [[COL16A1/ja]] || – | ||
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| [[Collagen XVII|XVII]] || Transmembrane collagen, also known as BP180, a 180 kDa protein || [[COL17A1]] || [[Bullous pemphigoid]] | | [[Collagen XVII/ja|XVII]] || Transmembrane collagen, also known as BP180, a 180 kDa protein || [[COL17A1/ja]] || [[Bullous pemphigoid/ja]]および接合型[[epidermolysis bullosa/ja|表皮水疱症]]のある種の形態である。 | ||
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| [[Type XVIII collagen|XVIII]] || | | [[Type XVIII collagen/ja|XVIII]] || [[endostatin/ja|エンドスタチン]]の生成源である。 || [[COL18A1/ja]] || – | ||
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| XIX || [[FACIT collagen]] || [[COL19A1]] || – | | XIX || [[FACIT collagen/ja|FACITコラーゲン]] || [[COL19A1/ja]] || – | ||
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| XX || – || [[COL20A1]] || – | | XX || – || [[COL20A1/ja]] || – | ||
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| XXI || [[FACIT collagen]] || [[COL21A1]] || – | | XXI || [[FACIT collagen/ja|FACITコラーゲン]] || [[COL21A1/ja]] || – | ||
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| XXII || [[FACIT collagen]] || [[COL22A1]] || – | | XXII || [[FACIT collagen/ja|FACITコラーゲン]] || [[COL22A1/ja]] || – | ||
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| [[Collagen, type XXIII, alpha 1|XXIII]] || | | [[Collagen, type XXIII, alpha 1/ja|XXIII]] || MACITコラーゲン || [[COL23A1/ja]] || – | ||
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| XXIV || – || [[COL24A1]] || – | | XXIV || – || [[COL24A1/ja]] || – | ||
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| XXV || – || [[COL25A1]] || – | | XXV || – || [[COL25A1/ja]] || – | ||
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| XXVI || – || [[EMID2]] || – | | XXVI || – || [[EMID2/ja]] || – | ||
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| XXVII || – || [[COL27A1]] || – | | XXVII || – || [[COL27A1/ja]] || – | ||
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| XXVIII || – || [[COL28A1]] || – | | XXVIII || – || [[COL28A1/ja]] || – | ||
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| XXIX || | | XXIX || 表皮コラーゲン || [[COL29A1/ja]] || アトピー性皮膚炎 | ||
|} | |} | ||
上記の疾患に加えて、[[scleroderma/ja|強皮症]]ではコラーゲンの過剰沈着が起こる。 | |||
==病気{{Anchor|Diseases}}== | |||
==Diseases== | 20種類以上のコラーゲンのうち12種類で1000もの変異が同定されている。これらの変異は組織レベルで様々な病気を引き起こす可能性がある。 | ||
[[Osteogenesis imperfecta/ja|骨形成不全症]] - ''1型コラーゲン''の突然変異によって引き起こされ、優性常染色体疾患であり、骨が弱く、結合組織が不規則である。軽症例では1型コラーゲンのレベルが低下しているが、重症例ではコラーゲンの構造的欠陥がある。 | |||
[[Osteogenesis imperfecta]] | |||
[[Chondrodysplasia/ja|軟骨異形成症]] - ''2型コラーゲン''の突然変異によって引き起こされると考えられている骨格障害であるが、これを確認するためにさらなる研究が行われている。 | |||
[[Chondrodysplasia]] | |||
[[Ehlers–Danlos syndrome/ja|エーラス・ダンロス症候群]] - 結合組織の変形を引き起こすこの疾患は、13の異なるタイプが知られている。まれなタイプでは、動脈が破裂する致死的なものもある。それぞれの症候群は異なる突然変異によって引き起こされる。例えば、この疾患の血管型(vEDS)は''3型コラーゲン''の突然変異によって起こる。 | |||
[[Ehlers–Danlos syndrome]] | |||
[[Alport syndrome/ja|アルポート症候群]] - 遺伝的に受け継がれる可能性があり、通常はX連鎖優性遺伝であるが、常染色体優性遺伝や常染色体劣性遺伝もある。 | |||
[[Alport syndrome]] | |||
[[Knobloch syndrome/ja|ノブロッホ症候群]] - コラーゲンXVIIIの産生をコードする[[COL18A1/ja|COL18A1]]遺伝子の変異によって引き起こされる。脳組織の突出と網膜の変性がみられる。家族にこの疾患の患者がいる場合、遺伝的な関連性があるため、自分自身が発症するリスクが高くなる。 | |||
[[Knobloch syndrome]] | |||
==特徴{{Anchor|Characteristics}}== | |||
==Characteristics== | コラーゲンは長い[[fibrous protein/ja|繊維構造タンパク質]]の一つであり、その機能は[[enzyme/ja|酵素]]などの[[globular protein/ja|球状タンパク質]]とは全く異なる。''コラーゲン線維''と呼ばれる丈夫なコラーゲンの束は、ほとんどの組織を支え、細胞に外側から構造を与える[[extracellular matrix/ja|細胞外マトリックス]]の主要な構成要素であるが、コラーゲンはある種の細胞内部にも存在する。コラーゲンは大きな[[tensile strength/ja|引っ張り強度]]を持ち、[[fascia/ja|筋膜]]、[[cartilage/ja|軟骨]]、[[ligament/ja|靭帯]]、[[tendon/ja|腱]]、[[bone/ja|骨]]、皮膚の主成分である。[[elastin/ja|エラスチン]]や柔らかい[[keratin/ja|ケラチン]]とともに皮膚の強度と弾力性を担っており、その劣化は[[aging/ja|老化]]に伴う[[wrinkle/ja|しわ]]の原因となる。[[blood vessel/ja|血管]]を強化し、[[biological tissue/ja|組織]]の発達に関与する。眼の[[cornea/ja|角膜]]や水晶体には[[crystal/ja|結晶]]線状で存在する。[[Mesozoic/ja|中生代]]や[[Paleozoic/ja|古生代]]の骨でも頻繁に化石化することから、化石記録では最も豊富なタンパク質の1つかもしれない。 | ||
===用途=== | |||
[[file:Beretta Salami and Collagen Casing .jpg|right|150px|thumb|サラミとその中に入っていたコラーゲンのケーシング(下)]] | |||
[[file:Beretta Salami and Collagen Casing .jpg|right|150px|thumb| | コラーゲンの用途は食品から医薬品まで多岐にわたる。医療業界では、[[plastic surgery/ja|美容外科]]や[[burn (injury)/ja|火傷手術]]に使用されている。食品分野では、[[casing (sausage)/ja|ソーセージ用ケーシング]]が使用例のひとつである。 | ||
コラーゲンが加熱などの十分な[[denaturation (biochemistry)/ja|変性]]を受けると、3本のトロポコラーゲン鎖は部分的または完全に分離して球状ドメインとなり、[[random coil/ja|ランダムコイル]]の通常のコラーゲン・ポリプロリンII(PPII)とは異なる二次構造を含む。このプロセスは[[gelatin/ja|ゼラチン]]の形成を説明するものであり、味付けされた[[gelatin dessert/ja|ゼラチンデザート]]を含む多くの食品に使用されている。食品以外にも、ゼラチンは製薬、化粧品、写真産業で使用されている。ゼラチンは[[dietary supplement/ja|栄養補助食品]]としても使用され、老化防止薬としても宣伝されている。 | |||
ギリシア語で糊を意味する''kolla''から、コラーゲンという言葉は「[[animal glue/ja|糊]]生産者」を意味し、糊を得るために馬や他の動物の皮膚や[[tendon/ja|筋]]を煮沸する初期のプロセスを指す。コラーゲン接着剤は約4,000年前にエジプト人によって使用され、ネイティブ・アメリカンは約1,500年前に[[:en:bow (weapon)|弓]]に使用していた。世界最古の接着剤は[[radiocarbon dating/ja|炭素年代]]で8,000年以上前のもので、コラーゲンであることが判明した-縄籠や[[:en:embroidery|刺繍]]された[[:en:Textile|ファブリック]]の保護裏地として、[[:en:list of eating utensils|食器]]をつなぎ合わせるために、また[[human skull/ja|人間の頭蓋骨]]の十字の装飾に使われていた。コラーゲンは通常ゼラチンに変化するが、乾燥状態のために生き残った。動物の接着剤は[[thermoplastic/ja|熱可塑性]]であり、再加熱すると再び軟化するため、現在でも高級バイオリンやギターなどの[[:en:musical instrument|楽器]]の製作に使われている。永久的で強靭な[[chemical synthesis/ja|合成]]プラスチック接着剤とは相容れない用途である。革を含む動物のすじや皮は、何千年もの間、有用な物品を作るために使われてきた。 | |||
ゼラチン-[[resorcinol/ja|レゾルシノール]]-[[formaldehyde/ja|ホルムアルデヒド]]接着剤(およびホルムアルデヒドを毒性の低いペンタンジアルと[[glyoxal/ja|エタンジアル]]に置き換えたもの)は、ウサギの[[lung/ja|肺]]の実験的切開の修復に用いられてきた。 | |||
=== 化粧品 | === 化粧品 |