Hypertension/ja: Difference between revisions
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{{About/ja|arterial hypertension/ja|other forms of hypertension/ja}} | {{About/ja|arterial hypertension/ja|other forms of hypertension/ja}} | ||
{{Infobox medical condition (new) | {{Infobox medical condition (new) | ||
| name = 高血圧 | | name = 高血圧 | ||
| image = Grade 1 hypertension.jpg | | image = Grade 1 hypertension.jpg | ||
| caption = 自動化された腕の[[sphygmomanometer/ja|血圧計]]で[[artery/ja|動脈]]高血圧([[systolic blood pressure/ja|収縮期血圧]]で示される。158 mmHg、[[diastolic blood pressure/ja|拡張期血圧]]は99 mmHg、[[heart rate/ja|心拍数]]は80拍/ | | caption = 自動化された腕の[[sphygmomanometer/ja|血圧計]]で[[artery/ja|動脈]]高血圧([[systolic blood pressure/ja|収縮期血圧]]で示される。158 mmHg、[[diastolic blood pressure/ja|拡張期血圧]]は99 mmHg、[[heart rate/ja|心拍数]]は80拍/分である) | ||
| field = [[Cardiology/ja]] | | field = [[Cardiology/ja]] | ||
| synonyms = Arterial hypertension, high blood pressure | | synonyms = Arterial hypertension, high blood pressure | ||
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{{Human body weight/ja}} | {{Human body weight/ja}} | ||
'''高血圧'''は、[[artery/ja|動脈]]の[[blood pressure/ja|血圧]]が持続的に上昇する[[Chronic condition/ja|長期的]]な[[Disease/ja|医学的状態]]である。高血圧は通常、症状を引き起こさない。しかし、[[stroke/ja|脳卒中]]、[[coronary artery disease/ja|冠動脈疾患]]、[[heart failure/ja|心不全]]、[[atrial fibrillation/ja|心房細動]]、[[peripheral arterial disease/ja|末梢動脈疾患]]、[[vision loss/ja|視力低下]]、[[chronic kidney disease/ja|慢性腎臓病]]、[[dementia/ja|認知症]]の主要な危険因子である。高血圧は世界中で早死にの主な原因となっている。 | '''高血圧'''は、[[artery/ja|動脈]]の[[blood pressure/ja|血圧]]が持続的に上昇する[[Chronic condition/ja|長期的]]な[[Disease/ja|医学的状態]]である。高血圧は通常、症状を引き起こさない。しかし、[[stroke/ja|脳卒中]]、[[coronary artery disease/ja|冠動脈疾患]]、[[heart failure/ja|心不全]]、[[atrial fibrillation/ja|心房細動]]、[[peripheral arterial disease/ja|末梢動脈疾患]]、[[vision loss/ja|視力低下]]、[[chronic kidney disease/ja|慢性腎臓病]]、[[dementia/ja|認知症]]の主要な危険因子である。高血圧は世界中で早死にの主な原因となっている。 | ||
高血圧は[[Essential hypertension/ja|一次性(本態性)高血圧]]と[[secondary hypertension/ja|二次性高血圧]]に分類される。症例の約90~95%は一次性で、非特異的な生活習慣や[[Genetics/ja|遺伝]]要因による高血圧と定義される。リスクを高める生活習慣要因としては、食事中の[[salt/ja|塩分]]過多、[[overweight/ja|過体重]]、[[smoking/ja|喫煙]]、運動不足、[[Alcohol (drug)/ja|アルコール]]使用が挙げられる。残りの5~10%の症例は[[secondary high blood pressure/ja|二次性高血圧]]に分類され、慢性腎臓病、[[renal artery stenosis/ja|腎動脈]]の狭窄、[[endocrine disorder/ja|内分泌疾患]]、[[endocrine disorder/ja|避妊薬]]の使用など、明確に特定できる原因による高血圧と定義される。 | 高血圧は[[Essential hypertension/ja|一次性(本態性)高血圧]]と[[secondary hypertension/ja|二次性高血圧]]に分類される。症例の約90~95%は一次性で、非特異的な生活習慣や[[Genetics/ja|遺伝]]要因による高血圧と定義される。リスクを高める生活習慣要因としては、食事中の[[salt/ja|塩分]]過多、[[overweight/ja|過体重]]、[[smoking/ja|喫煙]]、運動不足、[[Alcohol (drug)/ja|アルコール]]使用が挙げられる。残りの5~10%の症例は[[secondary high blood pressure/ja|二次性高血圧]]に分類され、慢性腎臓病、[[renal artery stenosis/ja|腎動脈]]の狭窄、[[endocrine disorder/ja|内分泌疾患]]、[[endocrine disorder/ja|避妊薬]]の使用など、明確に特定できる原因による高血圧と定義される。 | ||
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血圧は2つの測定値、[[Systole (medicine)/aj|収縮期]](高い測定値)と[[Diastole/ja#Diastolic pressure|拡張期]](低い測定値)によって分類される。ほとんどの成人にとって、安静時の正常血圧は収縮期100~130[[:en:Millimeter of mercury|ミリメートル水銀]](mmHg)および拡張期60~80mmHgの範囲内である。ほとんどの成人では、安静時血圧が130/80または140/90mmHg以上が持続する場合に高血圧となる。小児には異なる数値が適用される。24時間にわたる[[外来血圧測定]]は、診察室での[[blood pressure measurement/ja|血圧測定]]よりも正確であるように思われる。高血圧は[[diabetic/ja|糖尿病患者]]に約2倍多くみられる。 | 血圧は2つの測定値、[[Systole (medicine)/aj|収縮期]](高い測定値)と[[Diastole/ja#Diastolic pressure|拡張期]](低い測定値)によって分類される。ほとんどの成人にとって、安静時の正常血圧は収縮期100~130[[:en:Millimeter of mercury|ミリメートル水銀]](mmHg)および拡張期60~80mmHgの範囲内である。ほとんどの成人では、安静時血圧が130/80または140/90mmHg以上が持続する場合に高血圧となる。小児には異なる数値が適用される。24時間にわたる[[外来血圧測定]]は、診察室での[[blood pressure measurement/ja|血圧測定]]よりも正確であるように思われる。高血圧は[[diabetic/ja|糖尿病患者]]に約2倍多くみられる。 | ||
生活習慣の改善と薬物療法は血圧を下げ、健康合併症のリスクを低下させる。生活習慣の改善には、[[weight loss/ja|減量]]、[[exercise/ja|身体運動]]、[[Health effects of salt/ja|塩分摂取量]]の減少、アルコール摂取量の減少、[[healthy diet/ja|健康的な食事]]などがある。生活様式の変更が十分でない場合は、[[blood pressure medication/ja|血圧治療薬]]が使用される。最大3種類の薬を同時に服用することで、90%の人の血圧をコントロールすることができる。薬物による中等度の高動脈血圧(160/100mmHg以上と定義)の治療は、[[life expectancy/ | 生活習慣の改善と薬物療法は血圧を下げ、健康合併症のリスクを低下させる。生活習慣の改善には、[[weight loss/ja|減量]]、[[exercise/ja|身体運動]]、[[Health effects of salt/ja|塩分摂取量]]の減少、アルコール摂取量の減少、[[healthy diet/ja|健康的な食事]]などがある。生活様式の変更が十分でない場合は、[[blood pressure medication/ja|血圧治療薬]]が使用される。最大3種類の薬を同時に服用することで、90%の人の血圧をコントロールすることができる。薬物による中等度の高動脈血圧(160/100mmHg以上と定義)の治療は、[[life expectancy/ja|生命予後]]の改善と関連している。130/80 mmHgから160/100 mmHgの間の血圧に対する治療の効果はあまり明らかでなく、有益であるとするレビューもあれば、有益性は不明であるとするレビューもある。高血圧は、世界人口の16〜37%が罹患している。2010年には、高血圧が全死亡の17.8%(世界で940万人)の要因であったと考えられている。 | ||
[[File:En.Wikipedia-VideoWiki-Hypertension.webm|thumb|thumbtime=2:16|upright=1.3|ビデオサマリー([[Wikipedia:VideoWiki/Hypertension|スクリプト]])]] | [[File:En.Wikipedia-VideoWiki-Hypertension.webm|thumb|thumbtime=2:16|upright=1.3|ビデオサマリー([[Wikipedia:VideoWiki/Hypertension|スクリプト]])]] | ||
{{TOC limit}} | {{TOC limit}} | ||
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===二次性高血圧=== | ===二次性高血圧=== | ||
{{Main/ja|Secondary hypertension/ja}} | {{Main/ja|Secondary hypertension/ja}} | ||
二次性高血圧は、同定可能な原因による高血圧であり、特定の徴候および症状が追加されることがある。例えば、[[Cushing's syndrome/ja|クッシング症候群]]は、高血圧を引き起こすだけでなく、しばしば[[Abdominal obesity/ja|三頭筋肥満]]、[[glucose intolerance/ja|耐糖能異常]]、[[moon face/ja|ムーンフェイス]]、首や肩の後ろの脂肪のこぶ(バッファローコンプと呼ばれる)、および紫色の腹部の[[stretch marks/ja|妊娠線]]を引き起こす。[[Hyperthyroidism/ja|甲状腺機能亢進症]]は食欲亢進を伴う体重減少、[[tachycardia/ja|速い心拍数]]、[[exophthalmos/ja|眼球膨張]]、振戦を頻繁に引き起こす。[[Renal artery stenosis/ja|腎動脈狭窄症]] | 二次性高血圧は、同定可能な原因による高血圧であり、特定の徴候および症状が追加されることがある。例えば、[[Cushing's syndrome/ja|クッシング症候群]]は、高血圧を引き起こすだけでなく、しばしば[[Abdominal obesity/ja|三頭筋肥満]]、[[glucose intolerance/ja|耐糖能異常]]、[[moon face/ja|ムーンフェイス]]、首や肩の後ろの脂肪のこぶ(バッファローコンプと呼ばれる)、および紫色の腹部の[[stretch marks/ja|妊娠線]]を引き起こす。[[Hyperthyroidism/ja|甲状腺機能亢進症]]は食欲亢進を伴う体重減少、[[tachycardia/ja|速い心拍数]]、[[exophthalmos/ja|眼球膨張]]、振戦を頻繁に引き起こす。[[Renal artery stenosis/ja|腎動脈狭窄症]](RAS)は、正中線の左側または右側に限局した腹部拍動を伴う(片側性RAS)こともあれば、両方の部位に伴う(両側性RAS)こともある。[[Coarctation of the aorta/ja|大動脈瘤]]は、腕に対する下肢の血圧低下、または[[femoral artery/ja|大腿動脈脈拍]]の遅延または欠如を頻繁に引き起こす。[[Pheochromocytoma/ja|褐色細胞腫]]は、頭痛、[[palpitation/ja|動悸]]、[[Pallor/ja|青白い外観]]、および[[Diaphoresis/ja|過度の発汗]]を伴う高血圧の突然のエピソードを引き起こすことがある。 | ||
===高血圧危機=== | ===高血圧危機=== | ||
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血圧は、[[Western pattern diet/ja|西洋型食生活]]やライフスタイルと関連すると[[aging/ja|加齢]]とともに上昇し、晩年に高血圧になるリスクは大きい。いくつかの環境因子が血圧に影響する。食塩の大量摂取は食塩に敏感な人の血圧を上昇させる;運動不足や中心性肥満は個々の症例で役割を果たすことがある。カフェインの摂取や[[vitamin D deficiency/ja|ビタミンDの欠乏]]などの他の因子の役割の可能性はあまり明らかではない。[[metabolic syndrome/ja|シンドロームX]](または[[metabolic syndrome/ja|メタボリックシンドローム]])の構成要素である[[Insulin resistance/ja|インスリン抵抗性]]も高血圧の一因である。 | 血圧は、[[Western pattern diet/ja|西洋型食生活]]やライフスタイルと関連すると[[aging/ja|加齢]]とともに上昇し、晩年に高血圧になるリスクは大きい。いくつかの環境因子が血圧に影響する。食塩の大量摂取は食塩に敏感な人の血圧を上昇させる;運動不足や中心性肥満は個々の症例で役割を果たすことがある。カフェインの摂取や[[vitamin D deficiency/ja|ビタミンDの欠乏]]などの他の因子の役割の可能性はあまり明らかではない。[[metabolic syndrome/ja|シンドロームX]](または[[metabolic syndrome/ja|メタボリックシンドローム]])の構成要素である[[Insulin resistance/ja|インスリン抵抗性]]も高血圧の一因である。 | ||
[[low birth weight/ja|低出生体重児]],[[Smoking and pregnancy/ja|母親の喫煙]],[[breastfeeding/ja|母乳育児]]の欠如といった幼児期の出来事は,成人本態性高血圧の危険因子である可能性があるが,これらの曝露と成人高血圧を結びつける機序は依然として不明である。未治療の高血圧患者では、正常血圧の人に比べて[[hyperuricemia/ja|高血中尿酸]]の割合が高いことが判明しているが、前者が因果関係にあるのか、腎機能の低下に伴うものなのかは不明である。平均血圧は夏よりも冬の方が高いかもしれない。[[Periodontal disease/ | [[low birth weight/ja|低出生体重児]],[[Smoking and pregnancy/ja|母親の喫煙]],[[breastfeeding/ja|母乳育児]]の欠如といった幼児期の出来事は,成人本態性高血圧の危険因子である可能性があるが,これらの曝露と成人高血圧を結びつける機序は依然として不明である。未治療の高血圧患者では、正常血圧の人に比べて[[hyperuricemia/ja|高血中尿酸]]の割合が高いことが判明しているが、前者が因果関係にあるのか、腎機能の低下に伴うものなのかは不明である。平均血圧は夏よりも冬の方が高いかもしれない。[[Periodontal disease/ja|歯周病]]も高血圧と関連している。 | ||
===二次性高血圧=== | ===二次性高血圧=== | ||
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[[pulse pressure/ja|脈圧]](収縮期血圧と拡張期血圧の差)は、高血圧の高齢者ではしばしば上昇する。これは収縮期血圧が異常に高く、拡張期血圧が正常または低いことを意味し、[[isolated systolic hypertension/ja|孤立性収縮期高血圧]]と呼ばれる状態である。高血圧または孤立性収縮期高血圧の高齢者における高い脈圧は、一般的に加齢に伴い、高血圧によって悪化する可能性のある[[arterial stiffness/ja|動脈硬化]]の増加によって説明される。 | [[pulse pressure/ja|脈圧]](収縮期血圧と拡張期血圧の差)は、高血圧の高齢者ではしばしば上昇する。これは収縮期血圧が異常に高く、拡張期血圧が正常または低いことを意味し、[[isolated systolic hypertension/ja|孤立性収縮期高血圧]]と呼ばれる状態である。高血圧または孤立性収縮期高血圧の高齢者における高い脈圧は、一般的に加齢に伴い、高血圧によって悪化する可能性のある[[arterial stiffness/ja|動脈硬化]]の増加によって説明される。 | ||
高血圧における末梢抵抗の上昇を説明するために、多くのメカニズムが提唱されてきた。多くのエビデンスは、腎臓の塩分と水分の処理の障害(特に腎内[[renin–angiotensin system/ja|レニン-アンジオテンシン系]]の異常)か、[[sympathetic nervous system/ja|交感神経系]]の異常のいずれかが関与している。これらの機序は相互に排他的ではなく、本態性高血圧のほとんどの症例では両者がある程度寄与していると考えられる。また、[[endothelial dysfunction/ja|内皮機能障害]]や血管の[[inflammation/ja|炎症]]も高血圧における末梢抵抗の増加や血管障害に関与している可能性が示唆されている。[[Interleukin 17/ja|インターロイキン17]]は,[[tumor necrosis factor alpha/ja|腫瘍壊死因子α]],[[interleukin 1/ja|インターロイキン1]],[[interleukin 6/ja|インターロイキン6]],[[interleukin 8/ja|インターロイキン8]]など,高血圧に関与していると考えられている他のいくつかの[[cytokine/ja | 高血圧における末梢抵抗の上昇を説明するために、多くのメカニズムが提唱されてきた。多くのエビデンスは、腎臓の塩分と水分の処理の障害(特に腎内[[renin–angiotensin system/ja|レニン-アンジオテンシン系]]の異常)か、[[sympathetic nervous system/ja|交感神経系]]の異常のいずれかが関与している。これらの機序は相互に排他的ではなく、本態性高血圧のほとんどの症例では両者がある程度寄与していると考えられる。また、[[endothelial dysfunction/ja|内皮機能障害]]や血管の[[inflammation/ja|炎症]]も高血圧における末梢抵抗の増加や血管障害に関与している可能性が示唆されている。[[Interleukin 17/ja|インターロイキン17]]は,[[tumor necrosis factor alpha/ja|腫瘍壊死因子α]],[[interleukin 1/ja|インターロイキン1]],[[interleukin 6/ja|インターロイキン6]],[[interleukin 8/ja|インターロイキン8]]など,高血圧に関与していると考えられている他のいくつかの[[cytokine/ja|免疫系の化学シグナル]]の産生を増加させる役割を担っていることで注目を集めている。 | ||
食事中のナトリウム過剰または[[potassium/ja|カリウム]]不足は、細胞内のナトリウム過剰を招き、血管平滑筋を収縮させて血流を制限するため、血圧を上昇させる。 | 食事中のナトリウム過剰または[[potassium/ja|カリウム]]不足は、細胞内のナトリウム過剰を招き、血管平滑筋を収縮させて血流を制限するため、血圧を上昇させる。 | ||
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多くの専門家グループは、60~80歳以上では150/90mmHgというやや高めの目標値を推奨している。JNC-8と[[:en:American College of Physicians|米国医師会]]は60歳以上で150/90mmHgを推奨しているが、これらのグループの中にはこの推奨に反対する専門家もいる。また、糖尿病や慢性腎臓病で[[proteinuria/ja|尿中蛋白減少]]のある人では、やや低めの目標値を推奨している専門家グループもあるが、一般人口と同じ目標値を推奨している専門家グループもある。何が最良の目標値なのか、また高リスク者について目標値を変えるべきかどうかという問題は未解決であるが、いくつかのガイドラインで提唱されているよりも、より集中的な血圧降下を提案する専門家もいる。 | 多くの専門家グループは、60~80歳以上では150/90mmHgというやや高めの目標値を推奨している。JNC-8と[[:en:American College of Physicians|米国医師会]]は60歳以上で150/90mmHgを推奨しているが、これらのグループの中にはこの推奨に反対する専門家もいる。また、糖尿病や慢性腎臓病で[[proteinuria/ja|尿中蛋白減少]]のある人では、やや低めの目標値を推奨している専門家グループもあるが、一般人口と同じ目標値を推奨している専門家グループもある。何が最良の目標値なのか、また高リスク者について目標値を変えるべきかどうかという問題は未解決であるが、いくつかのガイドラインで提唱されているよりも、より集中的な血圧降下を提案する専門家もいる。 | ||
心血管疾患の経験がなく、心血管疾患の10年リスクが10%未満の人に対しては、2017年の米国心臓協会のガイドラインでは、収縮期血圧が140mmHgを超えるか、拡張期血圧が90mmHgを超える場合に薬物療法を推奨している。心血管疾患経験者または心血管疾患の10年リスクが10%を超える人には、収縮期血圧が130mmHg以上または拡張期血圧が80mmHg以上の場合に薬物療法を推奨している。 | |||
===生活習慣の改善=== | |||
高血圧治療の第一選択は、食生活の改善、身体活動、減量を含む生活習慣の改善である。これらはすべて科学的勧告で推奨されているが、[[:en:Cochrane (organisation)|Cochrane]]の系統的レビューでは、減量ダイエットが高血圧患者の死亡、長期合併症、有害事象に影響を及ぼすというエビデンスは(データ不足のため)発見されなかった。このレビューでは、体重と血圧の減少が認められた。その潜在的な有効性は、単剤の薬物療法と同様であり、時にはそれを上回る。もし高血圧がすぐに薬物療法を行うのに十分なほど高い場合は、薬物療法とともに生活習慣を変えることが推奨される。 | |||
血圧を低下させることが示されている食事療法には、ナトリウムを減らした食事療法、包括的レビューで他の11の食事療法に対して最も優れていた[[DASH diet/ja|DASH食]](高血圧を止めるための食事療法)、および植物ベースの食事療法がある。[[green tea/ja|緑茶]]の摂取が血圧を低下させるという証拠もあるが、治療法として推奨するには不十分である。[[Hibiscus tea/ja|ハイビスカス茶]]の摂取が収縮期血圧(-4.71mmHg、95%CI [-7.87, -1.55])および拡張期血圧(-4.08mmHg、95%CI [-6.48, -1.67])を有意に低下させるというランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験の証拠がある。また、[[Beetroot/ja|ビーツジュース]]の摂取は、高血圧の人の血圧を有意に低下させる。 | |||
[[Potassium/ja#Nutrition|食事性カリウム]]を増やすことは、高血圧のリスクを下げる効果が期待できる。2015年食事ガイドライン諮問委員会(DGAC)は、カリウムは米国で摂取不足の栄養素の一つであると述べている。ただし、特定の降圧薬(ACE阻害薬やARBなど)を服用している人は、カリウムが高濃度になるリスクがあるため、カリウムサプリメントやカリウム濃縮塩を摂取すべきではない。 | |||
血圧を低下させることが示されている身体運動療法には、[[isometric exercise/ja|等尺性抵抗運動]]、[[aerobic exercise/ja|有酸素運動]]、[[resistance exercise/ja|レジスタンス運動]]、機器誘導呼吸などがある。 | |||
[[biofeedback/ja|バイオフィードバック]]や[[transcendental meditation/ja|超越的瞑想]]などのストレス軽減技術は、高血圧を軽減するための他の治療法に追加するものとして考慮されうるが、単独で心血管疾患を予防するための証拠はない。セルフモニタリングと予約リマインダーは、血圧コントロールを改善するための他の戦略の使用をサポートするかもしれないが、さらなる評価が必要である。 | |||
===薬物療法=== | |||
高血圧の治療には、[[antihypertensive drug/ja|降圧剤]]と総称されるいくつかのクラスの薬が利用できる。 | |||
高血圧に対する第一選択薬としては、[[Thiazide/ja|サイアザイド系利尿薬]]、[[calcium channel blockers/ja|カルシウム拮抗薬]]、[[angiotensin converting enzyme inhibitor/ja|アンジオテンシン変換酵素阻害薬]](ACE阻害薬)、および[[Angiotensin II receptor blocker/ja|アンジオテンシン受容体拮抗薬]](ARB)がある。これらの薬物は単独または併用で使用できる(ACE阻害薬とARBの併用は推奨されない);後者の選択肢は、血圧値を治療前のレベルに戻すように作用する逆調節機序を最小限に抑える役割を果たす可能性があるが、第一選択の併用療法に関する証拠は十分に強くない。ほとんどの人は高血圧をコントロールするために複数の薬を必要とする。血圧コントロールのための薬物療法は、目標値に達しない場合、段階的ケアアプローチによって実施されるべきである。死亡率、[[myocardial infarction/ja|心筋梗塞]]、[[stroke/ja|脳卒中]]に影響を及ぼすという強いエビデンスはないため、高齢者ではこのような薬物の中止を医療専門家が検討することができる。 | |||
以前は、[[atenolol/ja|アテノロール]]などの[[beta-blockers/ja|β遮断薬]]も、高血圧の第一選択薬として用いれば同様の有益な効果があると考えられていた。しかし、13の臨床試験を含むコクラン・レビューによると、β遮断薬の心血管疾患予防効果は他の降圧薬よりも劣っている。 | |||
高血圧の子供に降圧剤を処方することには、限られたエビデンスしかない。プラセボと比較したエビデンスは限られており、短期的には血圧に対して緩やかな効果を示している。より高用量を投与しても、血圧の低下が大きくなることはなかった。 | |||
===抵抗性高血圧=== | |||
抵抗性高血圧とは、[[mechanism of action/ja|作用機序]]の異なる3種類以上の降圧薬を同時に処方されているにもかかわらず、目標値を超えたままの高血圧と定義される。[[Adherence (medicine)/ja|処方された薬を指示通りに服用しないこと]]は、抵抗性高血圧の重要な原因である。抵抗性高血圧はまた、[[autonomic nervous system/ja|自律神経系]]の慢性的に高い活動によって生じることもあり、この影響は''神経原性高血圧''として知られている。[[baroreflex/ja|圧反射]]を刺激する電気療法は、このような状況にある人の血圧を下げる選択肢として研究されている。 | |||
抵抗性高血圧の一般的な二次的原因には、[[obstructive sleep apnea/ja|閉塞性睡眠時無呼吸症候群]]、[[pheochromocytoma/ja|褐色細胞腫]]、[[renal artery stenosis/ja|腎動脈狭窄症]]、[[coarctation of the aorta/ja|大動脈瘤]]、[[primary aldosteronism/ja|原発性アルドステロン症]]などがある。抵抗性高血圧の5人に1人は原発性アルドステロン症であり、治療可能で、治癒することもある。 | |||
=== 難治性高血圧 === | |||
{{Main/ja|Refractory hypertension/ja}} | |||
{{Main|Refractory hypertension}} | |||
難治性高血圧は、長時間作用型の[[thiazide-like diuretic/ja|サイアザイド様利尿薬]]、[[calcium channel blocker/ja|カルシウム拮抗薬]]、[[renin-angiotensin system/ja|レニン-アンジオテンシン系]]の遮断薬など、異なるクラスの5種類以上の降圧薬によってもコントロールできない[[blood pressure/ja|血圧]]上昇を特徴とする。難治性高血圧の患者は一般的に交感神経系の活動が亢進しており、より重篤な心血管疾患および全死因死亡のリスクが高い。 | |||
===非調節性=== | |||
== | 非調節性本態性高血圧は、[[sodium/ja|ナトリウム]]摂取が[[Adrenal gland/ja|副腎]]または[[Kidney/ja|腎臓]]のいずれをも調節しない[[salt/ja|食塩]]感受性高血圧の一形態である。[[Vascular system/ja|血管]]の[[angiotensin II/ja|アンジオテンシンII]]に対する反応を調節しない。このサブセットを持つ患者は非モジュレーターと呼ばれている。高血圧人口の25~30%を占める。 | ||
==疫学== | |||
{{Anchor|Epidemiology}} | |||
[[File:Hypertension World Map Men 2014.png|thumb|upright=1.5| | [[File:Hypertension World Map Men 2014.png|thumb|upright=1.5|2014年の成人男性における高血圧の割合]] | ||
[[File:Hypertensive heart disease world map - DALY - WHO2004.svg|thumb|upright=1.5|[[Disability-adjusted life year]] | [[File:Hypertensive heart disease world map - DALY - WHO2004.svg|thumb|upright=1.5|2004年の人口10万人当たりの[[hypertensive heart disease/ja|高血圧性心疾患]]による[[Disability-adjusted life year/ja|障害調整生存年]]である: | ||
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{{legend|#cb0000|>1600}} | {{legend|#cb0000|>1600}} | ||
{{col-end}}]] | {{col-end}}]] | ||
===成人=== | |||
== | 2019年現在、世界の30~79歳の成人([[:en:world population|世界人口]]の16%以上)のうち、少なくとも10億2,800万人(うち女性6億2,600万人、男性6億5,200万人)が高血圧であると推定されている。これは、2014年から約2億7,800万人増加し、1990年に比べてほぼ倍増している。 | ||
高血圧は男性に''わずかに''多く、[[socioeconomic status/ja|社会経済的地位]]の低い人に多く、年齢とともに多くなる。高、中、低所得国に多い。2004年では、高血圧の割合はアフリカで最も高く(男女とも30%)、アメリカ大陸で最も低かった(男女とも18%)。また、ペルーの22.8%(男性)、18.4%(女性)と低く、パラグアイの61.6%(男性)、50.9%(女性)と高い。アフリカの2016年の割合は約45%であった。 | |||
ヨーロッパでは、高血圧は約30〜45%の人にみられる(2013年時点) 。1995年には、米国では4300万人(人口の24%)が高血圧であるか、降圧薬を服用していると推定された。2004年には29%に増加し、さらに2017年には32%(米国の成人7,600万人)に増加した。高血圧の定義が変更された2017年には、米国では46%の人が罹患している。米国のアフリカ系アメリカ人の成人の高血圧罹患率は44%と世界で最も高い。また、[[:en:Filipino Americans|フィリピン系アメリカ人]]に多く、米国の[[:en:European Americans|白人]]や[[:en:Mexican American|メキシコ系アメリカ人]]には少ない。高血圧率の差は多因子性であり、現在研究中である。 | |||
===子供=== | |||
=== | 小児および青年期の高血圧の割合は、米国では過去20年間に増加している。小児期の高血圧、特に思春期前の高血圧は、成人よりも基礎疾患による二次的なものであることが多い。腎臓病は、小児および青年における高血圧の二次的原因として最も一般的である。とはいえ、一次性または本態性高血圧がほとんどの症例を占めている。 | ||
==予後== | |||
{{Anchor|Prognosis}} | |||
{{Main|Complications of hypertension}} | {{Main/ja|Complications of hypertension/ja}} | ||
[[File:Main complications of persistent high blood pressure.svg|thumb|upright=1.4| | [[File:Main complications of persistent high blood pressure.svg|thumb|upright=1.4|持続性高血圧の主な合併症を示す図]] | ||
高血圧は世界中で最も重要な[[List of preventable causes of death/ja|早死にの予防可能な危険因子のリスト]]である。[[ischemic heart disease/ja|虚血性心疾患]]、[[strokes/ja|脳卒中]]、[[peripheral vascular disease/ja|末梢血管疾患]]、その他の心血管疾患([[heart failure/ja|心不全]]、[[aortic aneurysm/ja|大動脈瘤]]、びまん性[[atherosclerosis/ja|動脈硬化症]]、[[chronic kidney disease/ja|慢性腎臓病]]、[[atrial fibrillation/ja|心房細動]]、[[cancer/ja|がん]]、[[leukemia/ja|白血病]]、[[pulmonary embolism/ja|肺塞栓症]]など)のリスクを高める。高血圧は[[cognitive impairment/ja|認知障害]]や[[dementia/ja|認知症]]の危険因子でもある。その他の合併症としては、[[hypertensive retinopathy/ja|高血圧網膜症]]や[[hypertensive nephropathy/ja|高血圧腎症]]がある。 | |||
==歴史== | |||
{{Anchor|History}} | |||
{{Main|History of hypertension}} | {{Main/ja|History of hypertension/ja}} | ||
[[File:William Harvey ( 1578-1657) Venenbild.jpg| | [[File:William Harvey ( 1578-1657) Venenbild.jpg|ハーヴェイの''Exercitatio Anatomica de Motu Cordis et Sanguinis in Animalibus''から静脈の画像を引用する。|left|thumb]] | ||
===測定=== | |||
循環器系に関する近代的な理解は,医師[[:en:William Harvey|ウィリアム・ハーヴェイ]](1578-1657)の著作"''De motu cordis''"の中で血液の循環について述べたことから始まった。イギリスの聖職者[[:en:Stephen Hales|スティーブン・ヘイルズ]]は1733年に初めて血圧の測定を発表した。しかし、1896年に[[:en:Scipione Riva-Rocci|Scipione Riva-Rocci]]によってカフを使用する[[sphygmomanometer/ja|血圧計]]が発明されたことで、臨床的な実体としての高血圧が確立された。これにより、収縮期血圧を臨床で簡単に測定できるようになった。1905年、[[:en:Nikolai Korotkoff|ニコライ・コロトコフ]]が血圧計のカフを収縮させた状態で聴診器で動脈を聴診したときに聞こえる[[Korotkoff sounds/ja|コロトコフ音]]を発表し、技術を向上させた。これにより収縮期圧と拡張期圧を測定できるようになった。 | |||
===同定=== | |||
=== | 中世ペルシアの医学書の「満腹病」の章に、高血圧性クリーゼ患者の症状と類似した症状が論じられている。その症状とは、頭痛、頭重感、動作緩慢、全身の発赤と温感、血管の膨張と緊張、脈拍の充満、皮膚の膨張、色尿、食欲不振、視力低下、思考障害、あくび、眠気、血管破裂、出血性脳卒中などである。充血症は血管内の血液が過剰になるためと推定された。 | ||
病気としての高血圧の記述は,とりわけ1808年の[[:en:Thomas Young (scientist)|トーマス・ヤング]]と,特に1836年の[[:en:Richard Bright (physician)/ja|リチャード・ブライト]]によってなされた。腎臓病の徴候のない人の血圧上昇の最初の報告は、[[:en:Frederick Akbar Mahomed|フレデリック・アクバル・マホメド]](1849-1884)によってなされた。 | |||
1990年代までは、収縮期血圧160mmHg以上を収縮期高血圧と定義していた。1993年、WHO/ISHガイドラインは140mmHgを高血圧の閾値と定義した。 | |||
===治療=== | |||
== | 歴史的に「硬脈病」と呼ばれていたものに対する治療は、[[bloodletting/ja|瀉血]]や[[leech/ja|ヒル]]の塗布によって血液の量を減らすことであった。これは中国の[[:en:Yellow Emperor|黄帝]]、[[:en:Aulus Cornelius Celsus|コルネリウス・ケルスス]]、[[:en:Galen|ガレノス]]、[[:en:Hippocrates|ヒポクラテス]]によって提唱された。硬脈疾患の治療アプローチには、生活習慣の変更(怒りや[[sexual intercourse/ja|性交]]を控える)と患者のための食事プログラム([[wine/ja|ワイン]]、肉、菓子の摂取を避け、食事の量を減らし、低エネルギー食を維持し、[[spinach/ja|ほうれん草]]と[[vinegar/ja|酢]]を食用とする)が含まれていた。 | ||
高血圧に対する効果的な薬物療法が可能になる以前の19世紀と20世紀には,3つの治療法が用いられたが,いずれも副作用が多かった。厳格なナトリウム制限(たとえば[[rice diet/ja|米食]]),[[sympathectomy/ja|交感神経切除術]]([[sympathetic nervous system/ja|交感神経系]]の一部を外科的に切除する),パイロジェン療法(発熱を引き起こす物質を注射して間接的に血圧を下げる)である。 | |||
高血圧のための最初の化学薬品である[[sodium thiocyanate/ja|チオシアン酸ナトリウム]]は1900年に使用されたが、副作用が多く不評であった。[[:en:World War II|第二次世界大戦]]後にいくつかの他の薬剤が開発されたが、その中で最も人気があり、それなりに効果があったのは[[tetramethylammonium chloride/ja|塩化テトラメチルアンモニウム]]、[[hexamethonium/ja|ヘキサメトニウム]]、[[hydralazine/ja|ヒドララジン]]、[[reserpine/ja|レセルピン]](薬用植物''[[Rauvolfia serpentina/ja|ラウヴォルフィア・セルペンティナ]]''由来)であった。これらはいずれも忍容性に乏しかった。忍容性の高い経口薬が初めて発見され、大きなブレークスルーがもたらされた。最初のものは[[chlorothiazide/ja|クロロチアジド]]であり、最初の[[thiazide/ja|サイアザイド]]であった。[[diuretic/ja|利尿薬]]であり、抗生物質[[sulfanilamide/ja|スルファニルアミド]]から開発され、1958年に利用可能となった。その後、降圧薬として[[beta blocker/ja|βブロッカー]]、[[calcium channel blockers/ja|カルシウム拮抗薬]]、[[angiotensin converting enzyme/ja|アンジオテンシン変換酵素]](ACE)阻害薬、[[angiotensin receptor blockers/ja|アンジオテンシン受容体拮抗薬]]、[[renin inhibitors/ja|レニン阻害薬]]が開発された。 | |||
==社会と文化== | ==社会と文化== | ||
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