イヌリンとパラアミノ吉草酸(PAH)の特性を対比することは有益である。PAHはイヌリンと同じように、糸球体で血漿から部分的に濾過され、尿細管では再吸収されない。PAHはイヌリンと異なり、糸球体を迂回してネフロンの尿細管細胞に入ったPAHの一部は(尿細管周囲毛細血管を経由して)完全に分泌される。したがって、PAHの腎クリアランスは、経験的に(1-ヘマトクリット)×腎血流量である腎血漿流量(RPF)の計算に有用である。注意すべき点は、PAHのクリアランスは、腎臓の尿形成に関わる部分へのRPFのみを反映しているため、実際のRPFを約10%過小評価することである。