Translations:Honey/102/ja

ヘブライ語聖書では、約束の地(カナンの地、イスラエルの地)がその豊かさの比喩として16回「乳と蜜の流れる地」と描写されている。「ハチミツ」という言葉がヘブライ語聖書に登場する55回のうち、16回は「乳と蜜の流れる地」という表現の一部であり、「ハチミツ」がハチと明示的に関連付けられているのはわずか2回で、どちらも野生のハチに関連するものである。近代の聖書研究者は、聖書で用いられている元のヘブライ語(דבש, devash)は、イチジクナツメヤシから生産される甘いシロップを指すものと長らく考えていた。これは、初期の聖書物語(出エジプト記士師記列王記など)に関連する時代において、古代近東のどこでも(エジプトを除く)ミツバチの家畜化が考古学的に全く文書化されていなかったためである。しかし、2005年、イスラエルのテル・レホブで紀元前10世紀に遡る養蜂場が発見され、100の巣箱が含まれており、年間500キログラムのハチミツを生産していたと推定されている。これは2007年現在、古代近東地域全体で考古学者によってなされた唯一のそのような発見であり、聖書のハチミツが実際にハチのハチミツであった可能性を開くものである。