Translations:Fish/59/ja
魚の脳は体の大きさに比べて他の脊椎動物よりも小さく、同程度の大きさの鳥や哺乳類の脳の質量の15分の1程度である。しかし、比較的大きな脳をもつ魚も存在し、とりわけモルミルス科やサメは、体重に対する脳の大きさが鳥や有袋類に匹敵する。脳の前方には嗅葉があり、これは一対の構造で、二つの嗅神経を通じて鼻孔からの信号を受け取り処理する。ヤツメウナギやサメのように主に嗅覚で狩りを行う魚は非常に大きな嗅葉をもつ。その後方には大脳があり、魚では主に嗅覚を処理する。これらの構造を合わせて前脳を形成する。前脳と中脳をつなぐのが間脳であり、ホルモンや恒常性に関与する。松果体は間脳のすぐ上にあり、光を感知し、概日リズムを維持し、体色変化を制御する。中脳には二つの視葉が含まれる。これらはニジマスやシクリッドのように視覚で狩りを行う種で非常に大きい。後脳は遊泳と平衡を制御する。単葉の小脳は脳の最大部分であり、ヤツメウナギやヌタウナギでは小さいが、モルミルス科では非常に大きく、彼らの電気感覚を処理する。脳幹すなわち延髄は一部の筋肉や体の器官を制御し、呼吸と浸透圧調節を統御する。